Amazon、10億米ドルのRing買収契約を締結
オンライン小売企業のAmazonがドアベルを、厳密に言えばドアベル製造企業を買収した。その額、10億米ドルと報じられている。Ring ベルは単なる従来型のドアベルではなく、スマートドアベルだ。「モノのインターネット化」に関する最新事例の一つである。
このベルはビデオカメラを特徴としており、住宅の所有者は遠隔操作でドアを解錠できる。これはつまり、来客に応対するためにオンラインカジノのプレイを中断する必要さえないということだ! だが、Amazonの狙いは他にもある。それは「人がドア内に入ることをどんな場所からでも許可できるようになれば、顧客は不在時でも荷物を受け取れるようになるため、自社の売り上げ増加に役立つはずだ」というものだ。
このドアベルを利用すると、顧客は玄関先にいる配達人をビデオ映像で確認し、その後にコードを用いてドアを解錠できる。このアイデアは窃盗被害や顧客の小包が毀損することを防ぐためのものだ。
広報によれば、顧客は配達スタッフを自宅に招き入れるための特別なコードを使用できるという。つまり、ただ注文品が届くのを待つためだけに一日を無為に過ごす必要がなくなるというわけだ。RingにはAmazon製スマートスピーカー「Echo」やその音声操作式パーソナルアシスタントソフト「Alexa」とのあいだに互換性がある。今回の買収により、Amazon製カメラ製品の数は3種類となる。Amazonは室内セキュリティカメラ「Cloud Cam」に加え、ファッションアドバイスカメラの「Echo Look」も販売している。
Amazon Cloud Camは同社の主要サービスの一部で、スマートドアベルのリングもまたその一部となる。スマートロックはこのサービスの中核だが、ただ顧客や配達スタッフの負担を軽減するだけにとどまらない。この製品はホームセキュリティに改善をもたらすことも予想されている。ホームセキュリティはAmazonが関心を寄せてきた分野だ。
**Amazonとホームセキュリティ? **
Amazonによる以前のホームセキュリティ関連買収としては、900億米ドルのBlink買収があった。同社もスマートカメラ付きドアベルの製造企業であった。Blink買収によってAmazonはドアベル用カメラの効率性と寿命を拡大させる技術を得た。一方、今回のRing買収でアメリカのみならず、イギリスやヨーロッパにもすでに存在している顧客基盤を活用する機会を得ることになる。
Amazonがホームセキリティ分野へ進出する動きはロイヤリティの高いAmazon顧客には歓迎されているが、ADTなどの警備会社の見解は、特にRingと関連する領域について、全く異なるかもしれない。数か月前、アメリカを拠点とする警報・警備会社とドアベル製造業者は法廷闘争を繰り広げた。その中心となったのは、統合型警報システム方式に関する知的財産権だった。
1月の調停後に起きた株価の2%下落に加えて、ADTは別の形でも敗北を喫するかもしれない。Wedbush Securitiesでアナリストを務めるマイケル・パックター氏によれば、物理的なセキュリティはカメラ技術よりも劣っているそうだ。この技術は1億人を超えるAmazonプライム会員に訴求力をもっている。
**Amazon**のスマートな拡大
Amazonによるスマート技術とモノのインターネット化への拡大はホームセキュリティやカメラ付きドアベルに限ったことではない。ある時期、同社は顧客の注文品を配達するためにドローンを活用することの実現可能性に注目していた。
同社はAmazon Goにも携わっている。これは基本的な食料品やその他の商品を販売するレジ精算不要の小規模商店だ。Amazonの近年の拡大としては昨年の137億米ドルでのホールフーズ・マーケット買収も挙げられる。Amazonは今後も手を広げていくと思われる。そして、あえて言わせてもらうなら、ますますスマートになっていきそうだ!
情報元:
https://www.rtlnieuws.nl/technieuws/amazon-koopt-maker-slimme-deurbel-ring-voor-1-miljard-dollar